君の情熱(じょうねつ)は燃(も)えているか?
全国の「おたまじゃくし」のみなさん。そして、全国の小中学生のみなさん。
夏休み最後の追い込みですよ。
こんにちは。こんばんわ。ボク「かえるのクー」といいます。
「かえるの自由研究」をしているお友達は「かえる」にやさしくしてね。
さて、今回は、「神経細胞」(しんけいさいぼう)のおはなしです。
いきものの「脳(のう)」は神経細胞がたくさん集まってできています。
神経細胞が「たくさん」協力して、「なにかを覚(おぼ)えたり」「判断(はんだん)したり」「かんがえたり」します。この神経細胞はとても小さいです。でも小さくてもとっても熱血(ねっけつ)なんだよ。
では、神経細胞の「ニューロン」くんに自己紹介(じこしょうかい)してもらいましょう。
自己紹介
ぼく、神経細胞の「ニューロン」といいます。よろしく。
ぼくの役目は(情熱(じょうねつ)の)信号(しんごう)を「いちどにたくさん」受けとったら、他の「ニューロン」にそのことを伝(つた)えることだよ。
アンテナで他のたくさんの「ニューロン」からの信号をキャッチしまくって、ある量(りょう)をこえると「おおお!燃えてきたぞぉ~!!」と「元気」になり、その信号を他の「たくさん」の「ニューロン」につたえるんだ。
ぼくのからだ
ぼくの1本の長い腕(うで)の先には「シナプス」というのがたくさんあって
他のたくさんの「ニューロン」のあたまのアンテナ(樹状突起:じゅじょうとっき)に「もっと熱くなれよ!」と伝えるんだ。
ぼくは、ぼくの情熱に応えてくれる熱い「ニューロン」が大好きさ。
(熱い思いに応えてくれる)ニューロンとのつながりは強くなるし、何個も、何十個もつなげることもあるよ。でもできるだけぼくの情熱にこたえてくれる、できるだけたくさんの「ニューロン」をさがして伝えたいんだ。
ぼくの頭もアンテナみたいになっていて、他のニューロンの情熱をうけとるよ。でも、中途半端(ちゅうとはんぱ)な情熱じゃぼくはもえないよ。いくつもの本気(マジ)の熱い思いをチームワークでうけとるとがぜん燃えてくるよ。
ぼくの活動
たくさんのニューロンから思いを受け取れるように、あたまのアンテナ(樹状突起)をどんどん枝分かれさせて広げるよ。ぼくはとっても知りたがりなんだ。
それとぼくの熱い思いを他のニューロンにつたえるよ。ぼくはとっても伝えたがりでもあるんだ。
たまにしか反応してくれないニューロンもとっても大切な友達さ。ひっこみじあんだけどいい仕事するんだよ。
わかれと出会い
ぼくの情熱にいつまでたっても全(まった)く応(こた)えてくれない(世界観(せかいかん)や価値観(かちかん)の全く違(ちが)う)「ニューロン」はさよならして、近くの別の「ニューロン」を探(さが)すよ。ぼくの腕(うで:軸索(じくさく)というんだ)の先にのシナプスは1万個くらいあるけど、それでもぼくのこの情熱を伝えたいニューロンはそれよりもっと多いんだ。
いつも応えてくれるようになったニューロンは、もう「なかま」だから、もっと別のあたらしいなかまの「ニューロン」を探すよ。
最初は少ししか反応してくれなかったのが、だんだん熱く反応してくれることもあるよ。
逆に、最初は仲(なか)がよかったけど、だんだん違(ちが)ってきてさよならすることもある。
でもそれはよくあることで、さよならすることも大切なことなんだ。ニューロンにはそれぞれの「役割」(やくわり)があって、だんだんかわっていくこともあるからね。
「ニューロン」は働きが似ているものもあれば違うものもあるんだ。時間とともに変わっていもともあるよ。ニューロンのつながりもどんどん変わっていくんだ。
ぼくたちの共同作業
新しいことを覚えるときはたくさんのニューロンが共同作業(きょうどうさぎょう:チームワーク)で頑張(がんば)るんだよ。ひとつのニューロンだけではできないんだ。
みんなでがんばるんだけど、ぼくは全体がどうなっているかは知らないんだ。ぼくのやれる範囲(はんい)で、がんばるだけさ。
ずっと覚えていたい大切な思い出や大切な学習は、ぼくたちの安定したつながりでずっと保持(ほじ:たもつこと)されるよ。
あ、みんなには、ぼくの情熱(信号)を受ける場所と伝える場所をちゃんとわかってほしいな。
さっきもでてきた「樹状突起」の部分で信号を伝えてもらい、熱く燃えたらそれをシナプスで他の「ニューロン」につたえるんだよ。伝わる方向に注目してね。
ぼくのサポーター兼(けん)マネージャー
それからぼくには、「グリア細胞」というサポーター(助手:じょしゅ)兼マネージャーがいるんだ。
エネルギーをくれたり、ぼくの情熱を伝えやすくしてくれるんだ。次の情熱で燃えやすいようにいったんクールになるのをサポートしてくれたりもするよ。(ほかのニューロンとこんがらかったりしないよう、支(ささ)えてくれたり、お掃除係でもあるんだ)ぼくは、いつも燃えているわけではないんだ。ぼくが活躍すると、「グリア細胞」はどんどんエネルギーをくれるのでそんなときは、どんどんシナプスを伸(の)ばして、他のニューロンにつないでいけるよ。
青矢印は情報 赤矢印はエネルギーの流れ グリア細胞はニューロンがうまく働けるよういろんなサポートをするよ。
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活躍(かつやく)しすぎたり、あまり出しゃばらないでほしいときもあるみたいで、そんなときはあんまりエネルギーをもらえないんだ。
このあたりは全体がうまく動くようなしくみで配分(はいぶん)されているみたいだよ。「グリア細胞」はぼくたち「ニューロン」とはすこし違(ちが)ったしくみで、ぼくのまわりのバランスをとってくれるマネージャともいえるんだ。
ぼくはもらったエネルギー分だけ、精一杯(せいいっぱい)じぶんの仕事をするだけさ!
ぼくはいつもはおとなしいんだよ
こういうと、いつも情熱で燃えていると思うかもしれないけど、普段(ふだん)はとってもクールなんだ。情熱に燃えるのは「いざ」というときだけなんだよ。まわりのみんながいっせいに「熱くなる」ことはないんだ。えらばれた勇者(ゆうしゃ)だけが熱くなるのさ!
あ、近くにぼくの思いに応えてくれそうなニューロンがいそうだ。
シナプスの先を思いっきり伸ばしてみよう。今度はどんなともだちができるかな。
きみのニューロンとは友達になれないけど、応援するよ!
ニューロン同士(どうし)がともだちになるには、とっても近くにいないとだめなんだ。
きみの脳の中にも熱い思いで働くニューロンがきっといると思うけど、残念だけど親友になれないんだ。
でも、ぼくからもきみのニューロン「がんばれ!」と応援(おうえん)するよ。
あ、君も夏休みの宿題「がんばれ!」